【ロスト・ケア】

【ロスト・ケア】

葉真中顕さんの『ロスト・ケア』(光文社)をAmazon Audibleで朗読させていただきました!

読み終わった後もしばらく余韻で動けなくなるような、重量級本格派な作品です。
読書、特にミステリーサスペンス好きのわたしとしては「念願の!」と大興奮しつつ、
ハタと、葉真中顕さんといえば…『絶叫』の方では…ただのサスペンスではないな、とドキドキして臨んだのですが、
やはり、というか、さすがというか、物凄い作品でした。。

介護をめぐる様々な問題を、
介護する側、される側、
現場の介護職の方、介護事業者、
それを取り囲む社会の目と
当事者目線に立っているとは言い難い制度…
…複数の視点から構成されたサスペンスという形で描くことで、手に取りやすい形にしてくれてもいるし、サスペンスの枠にとどまらないものを感じさせてくれます。

第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。
さらに来年2023年3月には、
長澤まさみさん松山ケンイチさん主演で映画も公開!
ぜひ!今から原作を(できましたらAudibleでも)どうぞ!!


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Audibleは書影下の「サンプル」ボタンから試聴して頂くことができます。
初めの5:00〜3:07まで男性パートの井上さんの朗読が、
3:08〜はわたし志摩淳のパートを試聴して頂けます。
(ちなみに本編中では作品の性質上、
途中で叫ぶ、奇声をあげる等の部分があるので、
一部音量等気をつけて頂けると安心かもしれません(Audibleは地の文は朗読なのですが、台詞の箇所は台詞として読むので)

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(…ここからはとても個人的な話なのですが、、
わたしは20代前半で母の看護を人生において経験してきました。
それは介護ではなく看護だったし、
父や妹もいて孤独な戦いではなかったし、
認知症等の問題もなくほぼ最後まで母の人格も尊厳もしっかり損なわれることなくお互いを思い合うことのできるものだったと今も思います。
それでもその後のわたしの人生の根底に関わるくらい、大きな影響がありました。
今こうして、声の仕事を始め10数年目にして、生きる上で避けようのないこの問題を目を逸らさずに扱うこちらの作品に携わることができ、本当に、よかったと思っています)